こんにちは、門野まもりです。
またもや映画の感想文です。
ゲーム?安心して下さい。ちゃんと崩しを開始しました。
その様子はまた別の機会に。
作品の概要
Amazon Primeリンク:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0194ZTQYC/
ピクセルは2015年に公開されたクラシックアーケードゲーム、いわゆるレトロゲームをテーマにした映画です。アマプラのパッケージにもデカデカとパックマンが描かれていますね。その他にもギャラガ、アルカロイド、ドンキーコングなどなど・・・ゲーマーなら誰もがその名前くらいは知っているであろうゲームのキャラクター達が出てきます。
正直な所この映画、映画としては評価は微妙な所です。
ですが、それ以上にゲーム愛に溢れており、ゲーマーの方(特に当時を体験されている)には観て欲しい作品となっています。
色々な事情であらすじを記載したくない為、何の映画に似てるか書いておきます。
「ゴーストバスターズ」です。(これまた古いな)
パッと見れて映像がキレイで迫力もあってユニークさや爽快感もある。
だが、人を選ぶ映画でしょう。その理由はキャラクター紹介で分かります。
キャラクター紹介
サム・ブレナー
ゲームおたくのおっさん。子供の頃にゲーム大会で優勝したり2位になったりした。
ギャラガが得意。敵のパターンを読む能力がすさまじい人。
ウィル・クーパー
サムの幼馴染、国民の支持率に悩むアメリカ大統領。小太りなおっさん。ゲームは好きだがプレイは苦手。クレーンゲームが得意。
ヴァイオレット・ヴァン・パッテン
アメリカ軍基地で働いている女性科学者。一応ヒロイン。
「ゲームおたくは嫌い」と序盤にセリフがあるのだが、途中から割とどうでも良くなっている。
どちらかと言えば息子の方がキーパーソン。
ラドロー・レイモンソフ
サムとウィルの共通の友人。ゲームおたくに加えて言動がおかしい小太りなおっさん。ゲームに出てくる女性キャラクターを愛している。私のお気に入り。自分の事を「ワンダーキッド」と呼ぶ。
エディ・プラント
少年時代、サムにドンキーコングの大会で打ち勝ったゲーマー。自称「ファイヤーブラスター」。発言が過激。大人になってからはハッキングなどの罪で捕まっている重犯罪者。勿論現在はおっさん。
そう、この映画、基本的に変なおっさんしか出てこないのである。
しかもゲームおたくであり、セリフや演技の端々から「おたくの発言や行動を良く理解している」と感心するほど、研究されている。
自分はおたくの側なので、ゲームに対する愛情を感じたり、キャラクターの言動が「あるある~www」な感じで笑えたりするのだが、苦手な人にはまるで刺さらないだろう…
真面目な映画好きに見せれば「ふ~ん・・で?」と返されるのが落ちである。
映画としての評価
前述の通り、この作品はゲームネタとキャラクター達のユニークな言動を笑えるか否かで評価が大きく変わってくるだろう。また、ストーリーがかなりシンプルであり、深読みするような要素は一切無い。
個人的な評価は「愛すべきおバカ作品」という所。また、時折他の映画のコメディと思われるシーンもあるので、そういうの許す心も必要とされる。
しかしながらセリフまわしのユニークさは一級品であると言えよう。特に序盤から中盤まではツッコミが追いつかないほどのボケで圧倒される。
いわゆるパワーワードがこれでもかというくらい炸裂する。
若干ネタバレとなってしまうが、そのセンス光るセリフをいくつか紹介しよう。
大統領「犯人は・・・(くそでかため息)・・・ギャラガだ」
大臣「全くなんてクソ野郎だ!早速抹殺しましょう!」
大臣「で、ギャラガって誰です?」(原文:Who is GALAGA.)
じゃあグーグルを爆撃だ!
半ズボンは退席しろ
グアムに文通友達がいて、心配だから政府のサーバーをハッキングした。
童貞のまま死んじゃう!
ははっ、カオス。
ゲーマーとして観るPixels考察
私もゲーマーを名乗って随分と長いが、残念ながらこのゲームに出てくるようなアーケードゲームをリアルタイムでプレイした事は無い。ファミコンでの移植ならプレイした事のある作品は多い。
話は変わるが、2016年の春、ソニーがPSVRの発売のタイミングにて、お台場の日本科学未来館にて「GAME ON~ゲームってなんでおもしろい?~」というイベントをやっていた。
そこではゲームの歴史や歴代ハードの解説(ソニーに限らず)などの展示に加えて、この映画に出てくるようなゲームの筐体が、なんと実際に遊べる状態で展示されていた。私もPSVRを体験したくてこのイベントに行ったが、ぶっちゃけ展示の方が興奮した。PSVRはお金を出せばいつでも買えるが、過去のアーケードゲームの筐体なんてリアルに見れる機会はほぼ無いのだから。
パックマンとか平安京エイリアンとかあったな…確か…
そう、この映画にはある一定の「歴史的資料」としての価値があると思っている。
過去にこういうゲームがあった、という意味ではなく「その当時を楽しんでいた人達がどんな人達だったのか」という意味だ。
過去のゲームをレトロゲームとして紹介する人は多いが、実際に当時のゲーマーはどんな感じだったのか?を紹介する人は少ない。
映画の中で主人公であるサムと、ヴァイオレットの息子マティ(この子も若いゲーマー)が、「The Last of US」をプレイしながらこんな事を言っていた。
サム「このゲームは何が面白いんだ?敵のパターンに規則性が無い。ただのランダムだ。それに暴力的な表現が多い。」
マティ「だから死なないように戦うんだよ。僕は今、ゲームのキャラクターなんだ。感情移入を楽しむんだよ。」
恐らく、この話題はゲーマーとしてはするべきでは無いのだろう。荒れる原因にしかならない。
だがこの映画は一石を投じた。私にはそのように見えた。
今はゲーム、エンターテイメントの多様性が幅広くあり、「ゲームとは何か」を定義する事も難しい。
ゲーマーにも色んな人がいて、それぞれが自分の中の「好きなゲーム」を持っている。
昔のゲームが好きな人からすれば、最近のゲーム(特にAAA作品と呼ばれる物)は、写実的で、暴力的で、受動的に見えるのかも知れない。「ドット絵の方が想像力が掻き立てられる」こんなセリフを何回も聞いたことがある。
「昔の(今の)ゲームが好き!だから今の(昔の)ゲームは嫌い!」
ぜひとも、こうはならないで欲しい。好きなら好きで良いじゃない。なんで憎む必要がある?
ゲーム(遊び)はその次代の文化、テクノロジー、コミュニケーションを映す鏡だと私は思う。
情報や感覚をアップデートしないと、確かについていくのは難しいのかも知れない。
だけどもきちんと理解できた時には、作り手の愛情だったり、あっと驚くこだわりに気付いて涙する時もあるだろう。
サムは、マティのこのセリフによって「ゲームは楽しまなければならない」という原点に気付き、無事に困難を乗り切る事が出来た。
我々もまた、ゲームの多様性を認め、みんなの「好き」を大事にしないといけないのだと思う。
・・・
・・・
・・・なんの話をしているんだろう、私は・・・
それでは、なんだか脱線してしまった感が否めませんが、Pixelsの感想でした!
ゲーマー、もしくはB級映画が好きな人は是非みてみてね!
以上、かどまもでした!
あ、ちなみ私はドットゲーもゴリゴリの3Dゲー、どっちも大好きです。
コメント