備忘録:Synchronous Audio Router (SAR) + Reaper の導入手順

お疲れ様です、まもりです。
仮想オーディオデバイスを作成してASIOデバイスでのルーティングを行う Synchronous Audio Router (SAR) を導入しようとしたら、結構難しかったので手順と注意点を備忘録的に残しておきます。

SARってなんじゃい!メリットはなんじゃい!って人は「思惟かね(オモイカネ)」さんの解説記事をご覧ください。

私は元々DAWのVSTの最後にSyncroomを使用してたんですが、それをやめたかったのが目的です。

■自分の環境
OS:Windows11 Pro
Audio I/F:YAMAHA「AG03」
DAW:Reaper

■手順

1.プログラムのダウンロード
残念な事に公式サイトは無くなっています(2022年11月時点)
公式のドキュメントの確認、インストーラーのダウンロード、Tipsの参照などはGithubからおこなうしか無いです。

SynchronousAudioRouter

Windows11では、「Latest(最新版)」で表示されてある「0.13.1」では動かないらしいので、それより新しい「0.13.2」を使用します。
(追記)Windows10では「0.13.1」を使用して下さい。

上の「Releases」のところをクリックして0.13.2のページを表示。

下の方のAssetsをクリックして表示されるインストーラーのx64の方をクリックしてダウンロード。

2.WindowsのテストモードをON

プログラムをダウンロードしたらインストール…の前にこれをやらないとだめです。(追記:Windows10での「0.13.1」インストールの際には、テストモードのONは不要です。普通にインストールして下さい。)

テストモードを有効にすると、Microsoftに認証されてない怪しいドライバでもインストール&実行が可能になります。
セキュリティ的にはあまり推奨されません。基本的には自己責任となりますので、ご注意ください。

参考 Enable Loading of Test Signed Drivers

手順として、コマンドプロンプトを管理者権限で起動して、以下のコマンドを実行して、Windowsを再起動します。一回再起動しないとテストモードは有効になりません。

Bcdedit.exe -set TESTSIGNING ON

再起動して、画面の右下に以下のような表示が出てればOKです。

3.SARのインストール

インストーラーを実行して普通に進めてOK
テストモードを有効にしていると、途中でドライバのインストールに関してWindowsの警告が入りますが、インストールするを選んでください。

4.SARの設定

SARをインストールすると、「SAR Configuration」というツールがスタートメニューに追加されますので、これを起動。
SARのGithubで紹介されてある「ASIO Config」というツールを使ってもよいです。色々と便利なのでダウンロードしておいても良いかも。

Endpointsの設定でハードウェアASIOを選択します。
そして、下のADDをクリックして「Windows仮想デバイス」を追加します。ここの名前でWindows側に認識されます。
「Recording」が録音デバイス、「Playback」が再生デバイスです。
DAWへのルーティングのみを目的としているなら、「Recording」だけ追加すればOKです。

5.Reaperの設定

ここがちょっとややこしいです。
私は色んな勘違いがあって、かなり苦戦しました。
私はReaperの日本語化をしているので、それベースで記載します。

5-1.オプションの変更

「オプション」→「環境設定」
「音声」

・「再生停止中かつソフトが非アクティブの場合、音声デバイスを閉じる」のチェックを外す
(画像の一番上)

SARは使用してない時は取り外された扱いでデバイス一覧からは消えますが、このオプションを外さないとReaper起動中であっても、SARの仮想デバイスが出たり消えたりするっぽい。必須

(追記)上の設定、環境によっては不要だったり、DAW起動後の再生デバイスの挙動がおかしくなったりするみたいです。チェックを外さずにそのままにしておいて、使用して録音時に問題があるようであれば設定する、の方が良いかも。

「デバイス」

ASIOデバイスにSARを設定し、以下のように選択。

入力チャンネル:元々のオーディオインターフェースのデバイスを設定
出力チャンネル:SARで追加した録音デバイスを設定

SARの設定で「インとアウト」を追加したんだから、ここに両方設定すれば良いやろ!!って勘違いしてました。
そうするとAudio I/Fのドライバがエラー起こします。注意。

ブロックサイズ(バッファサイズ)は大きすぎるとエラーが出るかもってGithubのコミュニティに書かれてありました。256くらいが適正らしいです。

5-2.ルーティングの設定

上記を設定すると、とりあえずReaperに音が入るようになりますが、そのままだと仮想デバイスに音が流れません。録音はできるけど、作った仮想デバイスに音が流れません。

トラックの「Route」をクリックし、「ハードウェア出力を追加」をクリックして、SARの仮想デバイスを選択します。

これで「Recording」で設定したデバイスに音声が流れます、やったね!!!

OBSやDiscordの録音デバイスに追加した仮想録音デバイスを設定して終わり。

■最後に注意点

・途中にも書いたけど、SARは使用中以外は取り外された扱いになって、Windows側のデバイス一覧から消えます。DAWを起動していない状態だと、OBSやDiscordの設定画面で「Windowsの規定のデバイスが選択された状態」になります。
DAW(SAR)を起動すればちゃんと元に戻りますが、起動しないまま通話したりして「うっかり誤爆」にはご注意ください。(特にボイチェン勢は。)

・テストモードの有効化は自己責任です。今後怪しげなツールをインストールする時には本当に気をつけて下さい。

何か気づいたら追記していきます。

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