一口映画レビュー「ペット・セメタリー(2019年)」

※直接的な表現は控えますが、感想にはネタバレ要素を含みます。

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ペット・セメタリー (2019) (字幕版)
原作はスティーヴン・キングによるホラー小説。家族と田舎へと引っ越したクリード一家は、謎めいた動物の墓地“ペット・セメタリー”を発見する。不思議な力を持つ“ペット・セメタリー”は、やがて一家を悲劇へと導いていくのであった。

あらすじ

都会の喧騒から逃れるように田舎の土地を買って引っ越してきた一家四人。
巨大な敷地の中には森が含まれており、そこには不気味な「ペット墓地(ペットセメタリー)」があった。

とある日、交通事故で飼い猫を亡くしてしまう。
ご近所さんのおじいさんに連れられ、ペットセメタリーへ埋葬しようとするが、おじいさんは「もっと森の奥に埋めよう」と提案する。
何かを封じるように配置された障害物を越え、奇妙な沼地の奥、現実とは思えないような領域に辿り着く。
そこに死んだ猫を埋葬したあと、一家を不可解な現象が次々に襲い掛かった。

概要

この映画はホラー小説の巨匠「スティーヴン・キング」の小説「ペットセマタリー(PET SEMATARY)」及び同名映画(1989年)のリメイク作品です。

日本ではあまり馴染みは無いかも知れませんが、名前の通り「ペット墓地」に関するホラー映画。
昔「めちゃくちゃ怖い」という評判があったのを覚えています。
いつの間にかリメイクされてる事すら知りませんでした・・・

登場人物

あらすじの通り、田舎に引っ越してきた一家が主人公。

■一家
ルイス:医者の男性。「死後の世界なんて信じない」というリアリスト。
レイチェル:奥さん。子供の頃に亡くした姉の事がトラウマ。
エリー:娘。8歳くらいの明るく元気な女の子。
ゲイジ:息子。3歳くらいでまだあまり喋れない。

■その他
チャーチル(チャーチ):飼い猫。毛並みが良くて気品がある。可愛い。
ジャド:近所に住むおじいさん。

評価

昔の作品をリメイクしたという事ですが、私は元々のオリジナルを見ていないので、あまり前評判や過去作との比較を行わずに視聴しました。

近年のホラー映画にしては、ジャンプスケア(唐突に驚かせる事を目的とし、大きな音や衝撃的な映像を使った演出。私はあまり好きじゃない。)が控えめで、好印象でした。
序盤に交通事故にあった青年の痛々しいシーンがあり、そこだけがグロ注意という感じで、全体的にグロテスクなシーンはあまりありません。

昔の映画をベースにしているせいか、ストーリーの進行はゆっくりとしています。
物語の背景だったり分かりやすいギミックの説明であったり、徐々に物語に惹き込まれていきます。
逆にいうと、怖いシーンに到達するまでの時間が長いです。
ところどころ視聴者を驚かせるようなシーンもありますが、前述の通りジャンプスケアは控えめなので、落ち着いて見る事が出来ます。(それがホラー映画として良いか悪いかは別として。)
最初からクライマックスな感じであって欲しい!と思う人には、やや単調に感じるかも知れません。

後半からはぐっと雰囲気が変わります。
特に良かったなと感じるのは子役の子の演技
派手なVFXを使用せずに「演技だけで魅せる」というスタイルは、とてもクラシックで趣きのある映画だなと感じました。

ストーリーやギミックも分かりやすく、「シンプルに楽しめるホラー映画」という印象を受けました。

ネタバレを含む感想

a.k.a この記事のオチ

ぶっちゃけ、ジャドさえ居なければ平和だったのに…とツッコみたくなった。
ペットセメタリーにチャーチを埋めようって言ったあとも、なんか割とすぐ後悔してるし…

全体的なストーリーの流れに関しては前述したように非常にシンプルではあり、「死んだ人を生き返らせたい」という話は、昔から定番の怪談のひとつだ。
そういう意味でも「クラシック」な印象を受けるが、「良リメイクとはなんたるか」を見せつけられたような気がする。
ストーリー展開の遅さこそ気にはなったが、辻褄が合わない部分なども無く、ご都合主義な展開も無かったように思える。原作を見てない状態であっても「面白かった」と思えた。

「生物が死ぬのは自然の摂理であり、それを何人(なんぴと)たりとも犯してはいけない」と分かっていながらも、自分が愛する者を亡くした時にはそれをやろうとしてしまう。
人間ってのは罪深い生き物ですね。

コメント

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